【枚方市】秋の風物詩「ひらかた菊フェスティバル」|伝統と地域の力が咲き誇る

皆さん、こんにちは。枚方市議会議員のかじや知宏です。

秋の恒例行事として親しまれている「ひらかた菊フェスティバル2025」が、11月17日(月)まで開催されています。

市の花「菊」をテーマに、市民や地域団体、学校が協力して展示を行うこのイベント。
今回はその内容と、枚方の「菊文化」が育まれてきた歴史についてご紹介します。

菊フェス.jpg
PXL_20251105_002948957.jpg



🌸はじめに:菊人形の歴史は明治時代から

枚方市の花である**「菊」**は、昭和42年に市制施行20周年を記念して市民の公募により選ばれ、気品と生命力を象徴する花として、市民に親しまれています。

実は、菊を人形のように仕立てて展示する「菊人形」の歴史は明治時代までさかのぼります。
明治43年(1910年)には、京阪電気鉄道が香里遊園地(現在の寝屋川市付近)で菊人形を開催した記録が残っており、その後、**大正元年(1912年)**には枚方の地でも菊人形展が開かれました。

以降、昭和・平成と続く中で、枚方では「菊を育て、鑑賞する文化」がまちの誇りとして根づいていきました。

そして**戦後間もない昭和24年(1949年)**からは、「枚方大菊人形」がひらかたパークで始まりました。
時代を映すテーマやNHK大河ドラマを題材にした展示が人気を呼び、最盛期には約85万人が訪れるほどの賑わいを見せ、関西の秋の風物詩として全国的にも知られる存在に。

しかし、職人の高齢化や後継者不足、来園者の減少などの課題が重なり、平成17年(2005年)を最後に幕を閉じました。
それでも、菊人形で育まれた技術と「菊を愛でる心」は今もまちに息づいています。


🌼ひらかた菊フェスティバル2025の見どころ

✅ ひらかた菊花展
📍期間:2025年10月29日(水)〜11月17日(月)
📍会場:ニッペパーク岡東中央、市役所周辺、ふれあい通りなど

市内の菊愛好家や、幼稚園・小中学校で育てられた約1,000鉢の菊が並びます。
今年の特設花壇テーマは「花魁(おいらん)道中」。会場正面の幅6 m・奥行4 mの空間に、大菊・小菊を駆使して“枚方宿を闊歩する花魁”を表現しています。

PXL_20251105_002837109.jpg

さらに、

「大菊 3本仕立て」「前垂懸崖」「だるま仕立て」など、菊の仕立て技法を展示。

市役所別館前、ふれあい通り、旧市民会館前の屋形など、複数の展示スペースで学校園・市民作品も紹介。

菊づくりから展示までの工程にも注目してください。

PXL_20251105_003811918.jpg
PXL_20251105_003522683.MP.jpg

✅ 市民菊人形展
かつての「ひらかた大菊人形」で培われた伝統を市民の力で継承しようと、**平成18年(2006年)4月に「ひらかた市民菊人形の会」**が発足しました。
これは、約100年にわたって続いた「ひらかた大菊人形」の閉幕を受け、貴重な伝統文化としての菊人形を後世に残すために、市民ボランティアを公募して始まった取り組みです。

当初は、人形師・武河氏の指導のもと、10名の市民が「人形づくり」「菊の栽培」「菊付け」などをすべて自ら行い、試行錯誤を重ねながら活動をスタート。
専門職が分業で支えていた大菊人形とは異なり、**“すべてを自分たちの手で作る”**という市民ならではの挑戦が今も続いています。

今年の展示では、**NHK大河ドラマ『べらぼう』**をモチーフにした菊人形が登場し、市役所前や枚方市駅コンコース、ニッペパーク岡東中央、市民の森を彩ります。
まさに、市民の情熱と技術が咲かせる“現代の菊人形”です。

PXL_20251105_002559127.MP.jpg

✅ 枚方宿街道菊花祭
かつての宿場町・枚方宿の京街道沿いでは、地域住民や学校による菊の展示が行われます。
古くからの街並みを歩きながら、秋の彩りと文化を楽しむことができます。


💬枚方市議会議員 かじや知宏 の視点

菊を育てるには、長い時間と丹精が必要です。
地域の方々や学校が協力して花を咲かせるその過程は、まちの「人のつながり」そのものだと感じます。

行政としても、こうした地域主体の文化活動を支え、次の世代につなげることが重要です。
菊フェスティバルは、単なる観光イベントではなく、市民協働によるまちづくりの象徴でもあります。
文化・教育・観光を横断的に結びつけ、地域の活性化につなげていきたいと思います。


🍁おわりに

秋の枚方を彩る「ひらかた菊フェスティバル2025」。
市役所や駅から徒歩で行ける会場も多く、気軽に立ち寄れるのが魅力です。

菊の香りに包まれながら、まちの歴史と文化を感じてみませんか?
そして、かつての「枚方大菊人形」を知る世代にも、初めて菊の魅力に触れる若い世代にも、この秋の風景が心に残ることを願っています。

📌開催期間:2025年10月29日(水)〜11月17日(月)
📌主な会場:ニッペパーク岡東中央、市役所周辺、枚方宿地区など

この記事へのコメント